KANBAN KENCHIKU
ふたつの店名が存在する
建物アートの謎に迫る!
1階はもんじゃ焼き屋さん、2階は酒屋さん??「もんじゃストリート」の三番街に、両方の看板を掲げているお店がありました。どういうことなのだろう。
アートな建築物。
▲耐火性のあるモルタル看板。
アーケードの下には「もんじゃ えびすや」 。そして上には「池本酒店」。やけに古めかしい看板です。調べてみるとこれは「看板建築」と言うらしい。お店の看板を兼ねた建物で、昭和初期に流行した商店建築の一種だとか(建築史研究者の藤森照信さんが命名)。看板とお店を一体化させる時代があったなんて…すごいなぁ。
看板の裏側は……。
▲レトロな雰囲気でもんじゃを食べられるにゃ~。
えびすやさんにお話を聞いてみたところ、昭和20年代にこの建物を建て、池本酒店を始めたのだそう。ずっと酒屋さんだったようですが、20年ほど前にもんじゃ焼き屋さんへ転向。表の看板は残し、お店の奥側へと増改築したそうです。二階は元々住居でしたがお座敷席に。このまま風情ある空間をいつまでも残してほしいですね~。
他にも多くの看板が。
▲昔ながらの書体も味があります。
埋め立てが進み工業が発展するとともに、月島の人口は増加。明治時代末期、西仲通り商店街には多くの商店が並び、賑わいを見せたそうです。おもちゃ屋さんやうなぎ屋さんなど、当時は多くの看板建築であふれていたんだとか。今では看板は少なくなってしまったけれど、ぜひアーケードの上を探してみてね。
(取材:2021年10月)
佃にも看板建築の残っている場所があるからおさんぽして探してみてにゃ!
INFORMATION
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看板建築
月島の歴史・路地と長屋篇
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